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肉食恐竜の食事と聞くと、他の大型草食恐竜を襲って、噛みついて、ぶん回して、殺した後に、肉を食いちぎってむしゃむしゃむしゃ・・・。そんなイメージがありますよね?
スピノサウルスは違います。陸上よりもむしろ水中を主な狩場にしていました。生活のほとんどを水の中で過ごしていたとも言われています。
オンコプリスティス大好き
同時期の北アフリカの沼や川にはオンコプリスティスという体長8メートルほどの巨大なノコギリエイが生息していました。
スピノサウルスはこのオンコプリスティスを捕食していた証拠が見つかっています。

2005年に発見されたスピノサウルスの歯にオンコプリスティスの背骨が挟まっていました。さらに、2008年には、オンコプリスティスの棘が刺さったスピノサウルスの顎が発見されています。
ちなみにこのオンコプリスティスという言葉は、声に出すと気持ちのいい言葉ですので、音読することをおすすめします。オンコプリスティス、オンコプリスティス、オンコプリスティス。私はこれを連呼して妻に怒られたことがあります。
余談ですが、オンコプリスティスの棘はオークションなどで売っています。値段は数千円くらいからありますので、欲しい人は買ってみてはいかがでしょうか。
鼻先で水圧を感知して探知するランチ
2008年、研究者はスピノサウルスの頭骨をCTスキャンしました。その結果、口の先に多くの穴があるのが見つかりました。これは現生の鰐に似た特徴で、ここに感覚器官が集中していたと考えられます。
また、スピノサウルスの鼻の穴は口先ではなく、頭に近いほうにあります。
つまり、口先を水中に入れたまま鼻で息をし、口先の感覚器官で水圧を検知することで水中の魚の動きを察知。獲物を見つけてガブリ。これがスピノサウルスの狩りの仕方ではないかと考えられています。